どっか行かないで流れ星
「ビーマさん、すんません。カレー、二つ。あ、一つ甘口で」
「ほう? 珍しいな、甘口? 嗜好でも変わったか?」
「いえ、連れの分です」
左之助が後ろを振り返るので、ビーマもつられてそちらを確認する。食堂のテーブルの前で総司や新八と笑い合っているその銀色に、ビーマはなるほどなと頷いて用意をし始めた。
「この前、電子レンジ共々カレーを爆発させた甲斐はあったか?」
「げ、その話もう出回ってんすか? 今度のランサーの飲み会長そうっすね」
そのぼやきにそうはならんだろうとビーマは笑ってカレーを皿によそっていく。何せあそこにはパールヴァティーがいるのだ、程々に話を聞いた後に適当に切り上げて左之助を追い出す姿が目に浮かぶ。
「惚気ごちそうさまです。けれど、恋人を寂しがらせるのは言語道断ですから。さっさと戻って下さいね」
そしてこの目の前の男も頷くのだ。
「うす、助かります。……あいつ、放っておいたら俺のそばからすぐにどっか行っちまいそうなんで。もう二度とさせませんから。もう二度と、俺は手を離しませんから」
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